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第八回放送 URBAN GUITAR SAYONARA (全5話)

【1】URBAN GUITAR SAYONARAって何?

メジャーに移籍してから3枚目のシングル、『URBAN GUITAR SAYONARA』。 NUMBER GIRLにとって転換点となった表題曲を聴いて三栖さんはどんなイメージを膨らませたのか?

このシングルの作品性を深く掘り下げずに、とりあえず『DESTRUCTION BABY』方式で文字組だけで作ったラフデザイン。全くピンとこなかった。(三栖)

【2】都会のイメージ

URBANという言葉から都会的なデザインを作ろうと思い立った三栖さん。シンプルで幾何学的な仕上がりのジャケットは三栖さんの持つ都会のイメージであり、トレンディドラマ、算数の教科書、バウハウス、ロシア構成主義、大瀧詠一等の三栖さんがそれまでの人生で吸収してきたものが集約されている。

都会、都市のイメージを図形で表すアイデアで作った第一案のラフ。この段階ではタイトルフォントは強めに太く大きく組み、バンド名は手書き調のものを使っている。この文字組だと「現代アートっぽく、都市を図形で表す」という狙いが、全く打ち消されてしまっている。(三栖)

【3】丸文字と時代性

収録曲の真っ昼間ガールの歌詞はなぜ丸文字で書かれているのか? その他もろもろ字体の話。

第一案のタイトルのフォントや配置の仕方を見直す。表1にデカデカと下世話に入れていたシングルタイトルは外し、幾何学図形抽象アート感の印象を最優先した。バンド名はギザリロゴに置き直し「ナンバーガールのCDジャケットですよ」と、分かりやすくした。中面は図形の数を増やし、図形で模した都市で巻き起こる有象無象をイメージして組み上げていった。(三栖)

ジャケットにシングルタイトルを入れない代わりに、マキシシングルの形態上、レーベル面がジャケット裏面となるので、レーベル面に大きく入れた。文字、図形、色や配置を整えず、ごちゃごちゃさせた。ジャケ表1の「都市の無機質感」と真逆に「都市の雑踏感」を出すイメージで作った。(三栖)

向井の手書き歌詞の原画。活字にする部分を細かく指定している。(三栖)

真っ昼間ガールを向井手書き歌詞を使って組んでみたが「女の子が書いた曲」という設定上、この曲を作った架空の女の子が書いたイメージにしたくなった。「女の子が書く文字といえば丸文字やろ」という昭和世代の我々の発想によるアイデア。私が丸文字を書いてみたが「実際の女性が書いたものの方がリアルやな」って話になり、パーロフォンレーベルの女性の方に書いてもらった。「真っ昼間ガール」のみ書いてもらうつもりだったが、ついでに他の曲も書いてもらった。(三栖)

【4】せつなみ

『「切なさ」は三栖一明のデザインの根本』であると向井秀徳に指摘された三栖さん。三栖さんの心を常に捉え続けるこの「せつなみ」の感覚とは何なのか? 後半には三栖一明の仕事論も飛び出します。

【こぼれ話】ポスターとYARUSE NAKIOとソンノウジョウイ君と

URBAN GUITAR SAYONARAはジャケットも印象的だがそれ以上に異様なポスターが作られていた。宣伝物としてのデザインのルールを軽々と踏み越えているこのポスターと、ポスターと歌詞カードに登場する向井秀徳オリジナルキャラクター、YARUSE NAKIOとソンノウジョウイ君について語られます。

学ラン男同様に向井絵の中でも面白いキャラクター「ソンノウジョウイ君」。現在もZAZEN BOYSのグッズなどで、向井が新しく書き下ろした「ソンノウジョウイ君」を使っている。(三栖)

このシングルの後にリリースされる『SAPPUKEI』に収録されている「YARUSE NAKIOのBEAT」の為に書かれたと思われる「やるせなきお」。先走ってこのシングルに使ってしまっている。このシングルの収録曲全体が「やるせなさ」を感じさせるから使ったんだな。と思われる。(三栖)

構図、レイアウト、全てにおいて「『URBAN GUITAR SAYONARA』発売の告知ポスター」としての機能性より「いかに面白く見えるか」を最優先して作ってしまった。(三栖)

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