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第四回放送 SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT (全4話)

【前編】 女子高生と銃と蛇腹と

NUMBER GIRL最初のメジャーアルバム『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』。銃を持った女学生は何なのか? 蛇腹に折り畳まれた歌詞カードの秘密とは?

表1となる向井の原画。背景まで細かく描いてあった。
手書きタイトルも素材としてあったが、ジャケットには使用せず、この2つを組み合わせてCDレーベル面で使用した。(三栖)

ラフ段階では3人の女学生は全塗りし、線画も残している。
これだとイメージがハッキリし過ぎると思え引き算を始める。メインの女学生のみ線画と塗りを残し、後ろの2人は線画と制服や自転車の塗りも外してみた。そうしたら空想感が増して「これだな」と思えた。(三栖)

【中編】やりたいことを押し通すには

通常規格より長い歌詞カードを作るためにはどのような手練手管が必要だったのか? そしてこのアルバムはNUMBER GIRLの変化の予兆を感じさせるものだった…

何点もある向井漫画を見ていると、この世の森羅万象、人々の様々な生活の中にある有象無象を表していると思い、通常のブックレットにせず、蛇腹ブックレットにて「鳥獣戯画」の様な「絵巻」をイメージした。(三栖)

白ベースの蛇腹ブックレットにする事で、表1の裏面に印刷されたものが薄っすらと「裏写り」する可能性があった。それを回避する為に、表1の左の女学生を左右反転させ、裏面に表1と丁度重なる位置に印刷される様にした。(三栖)

大阪のアメ村に屋外広告を出す事になった時に作成した広告デザインレイアウト。「鋭角サウンドが君を突き刺す」を2回繰り返す言い回しは、これ以降多用していく事になる。2回言うのはなぜか? それはこちらの意志を「強調する」「強調したい」からであり、「一回言ったけど、もう一回言うよ」と「念押し」しているのである。または活字でありながら、どこぞの誰かが言い放った言葉が「こだましている」「ディレイ」「響いている」という印象を視覚化しているのである。(三栖)

【後編】タイトルの本当の意味

向井漫画に描かれる中心的なモチーフ、顔の描かれない人々は何なのか。そして『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』のタイトルの意味が今、明かされる。

今回のポッドキャスト収録時に、あらためて『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』のタイトルがどういう意味だったのか思い出す事ができた。「記憶違い、解釈違いの可能性もある」と疑念が生じたが、当時の制作物のデータを掘り起こしていると、アルバム発売を媒体に知らせる為の紙資料用に向井が描いた原画が残っていた。これで、薄らいでしまっている私の記憶の中の解釈は間違っていないと確信した。(三栖)

【こぼれ話】向井漫画を描いているのは誰?

NUMBER GIRLの世界観に欠かせない向井漫画だが、ファンの中には三栖さんが描いていると思っている人もいるという流れから、NUMBER GIRLのアートワークにおける三栖一明 (eyepop) の役割とは? という話。

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