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第五回放送 DESTRUCTION BABY (全5話)

【1】 録音の経緯

NUMBER GIRLのメジャーセカンドシングル『DESTRUCTION BABY』。この異色の作品はいかにしてメジャーデビュー前にアメリカで録音されることとなったのか?

【2】曲の印象

三栖さんは『DESTRUCTION BABY』の音源を聞いたとき、NUMBER GIRLに何か変化が起きていると感じた。その変化がいかにこのシングルのジャケットのデザインに影響したのか?

【3】ざらつきを産むコピーの技法

三栖一明デザインの根幹にあり最初期から培ってきた技術の一つが、コピーした素材を切り貼りしてさらにコピー機にかける技法。そのルーツに迫ります。

福岡時代「CHELSEA Q」というライブイベントのフライヤーをコピー機で作成していた。コンピューターは無かったので、実家の目の前のセブンイレブンのコピー機を駆使し、切り貼りで作っていた。(三栖)

【4】ギザり文字

NUMBER GIRLのロゴとして真っ先に思い浮かぶのが稲妻フォントで作られた通称「ギザりロゴ」と呼ばれているもの。このロゴに使われている「ギザり文字」はどこから来たのか? そして今でもコピーの技法は使っているけれども昔のようにはいかない、という話。

福岡時代に丸善で購入した洋書のフォントブックに載っていた書体「THUNDERBOLT」。
これをコピーし、英語綴りに必要なアルファベットを切ってのり付けし、それをまたコピーして文字素材を作った。(三栖)

コピーを繰り返したことで、切り貼りした後や汚れも残り、良い質感になった。シングルタイトルとバンド名、書体は違うものでいく事は最初から考えていたが、どっちがハマるか見てみないと分からなかったので、どっちもギザリ、ボールドの2種類を用意した。バックトレー側の曲名は汚れが足りなく思えたので、別のコピー素材の濃い汚れの部分を組み合わせた。(三栖)

【5】レイアウトや色、そして破戒

表1のレイアウトがシンプルで、かなり思い切った事をやってるという話から、最後は盤面に書かれた文字の謎を検証します。

コピー文字素材を作り、キーカラー、レイアウト、画面構成を考えてみたラフ案。最初はキーカラーを黄色と考えており、メンバー写真や向井イラストを入れてみたらどうなるかやってみたが、ハマらないと思えた。(三栖)

コピー文字だけでいくことにして、文字位置や配色をあれこれ試した。キーカラーを地色を夕暮れのオレンジ色、『透明少女』からの連続性も考えて水色も試してみた。(三栖)

表1は、上にボールドのタイトル、下にギザリのバンド名の配置で決定。中面の文字やレイアウトもコンピューターを使わず、手作業で切りはりしコピー機で作成。配色は地色赤、文字色黄色で決定した。(三栖)

キービジュアルとして使用を考えていたタバコを吸う女のイラストは、あえて表1に配置せず中面に使い、向井手書き文字の「破戒」は盤面に配置した。この2つの素材は印象が強いので、広告などでは馬鹿でかく使ってみせた。(三栖)

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